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日本史についての雑文その171 有徳の君主
このようにして漢の武帝によってシナ帝国の制度は完成したのですが、その本質を一言で言えば「有徳の君主であるシナ皇帝が全ての人民と土地と軍隊と商業利権を直轄支配する中央集権官僚制」というフィクションに基づいた支配体制ということになります。それを更にもっと突き詰めて言えば、シナ世界のそもそもの君主の原型は商業都市連合の盟主であったわけで、ならばシナ国家とは商業国家がその本質の姿であるのです。
シナ皇帝が人民や土地や軍事力を全て直轄支配するというのも、それらは結局は皇帝直轄の商業都市である「県」を維持して実効支配するための手段なのです。何故なら、人民や土地から発する貢納や労役、兵役などの「租」は帝国政府の歳入や労働力、軍事力になるのですが、商業都市内の商取引にかかる「税」は皇帝のポケットマネーになるからです。そしてこの皇帝のポケットマネーこそが帝国政府に拘束されない皇帝独裁政治のバックボーンとなるのです。具体的には外交や軍事行動、その他秘密の政治工作費などにも充てられます。
だから皇帝専制体制を維持するためには皇帝が商業利権を独占的に直轄支配することが必須条件となるのです。そして皇帝専制体制こそがシナ帝国の本質であるのですから、シナ帝国の本質とは「皇帝による商業利権の独占支配」ということになります。「有徳の君主が全ての人民や土地や軍事力を直轄支配する」という形も、その皇帝利権を維持するための手段に過ぎないわけです。

しかし、こうしたシナ帝国の本質を維持していくためには大きな必要条件が2つあります。まず、皇帝が「有徳」であることです。皇帝が「有徳の君主」でなければ、全ての人民や土地や軍隊を直轄支配する資格が揺らぐことになり、これらが揺らぐことによって皇帝による「県」への支配が揺らぎ、商業利権の確保が困難になり、皇帝独裁権力の財政基盤が失われ、皇帝専制体制というシナ帝国の本質が揺らぐのです。
では何をもって皇帝が「有徳」であるということになるのかというと、話が堂々巡りになるようですが、全ての人民や土地を支配することによって「有徳」であると見なされることになるのです。有徳な君主であれば多くの人民がその支配を喜んで受け入れるはずだからです。
つまり、皇帝は自分の「有徳」を証明するためには、より多くの人民や土地を支配してみせる必要があるということになります。そして、儒教においては究極的には有徳の君主によって全世界が統治されることが理想とされますから、この考え方には国境という概念は適用されません。支配対象となる土地や人民の範囲は無限に拡大していくのであり、それに正比例して君主の徳も無限に高まっていくのです。
要するに、皇帝専制体制を維持していくためには、皇帝は無限に支配領域を拡大して自らの「有徳」を支配下の人民に証明し宣伝し続けていかねばならない宿命を負っているのだといえるでしょう。

そして皇帝専制体制を維持していくためのもう1つの必要条件は、商業利権が拡大することです。せっかく商業利権を維持していても、それがしょぼいものでは意味は無いわけで、結局は皇帝独裁権力の財政基盤が弱体化して皇帝専制体制が揺らぐことになるのです。
ところが、この商業利権の拡大というのが難しいのであって、シナ帝国内の商業利権は全て皇帝の独占物となりますから、皇帝直轄支配領域においては極端な統制経済が敷かれることになります。しかし統制経済では経済は発展しませんから商業利権も拡大しません。
それではどうするのかというと、国外から物産をどんどん入れてシナ帝国の商業都市ネットワーク内で回して、皇帝はその商取引の全てに「税」をかけて利鞘を取ることになるのです。こうして外部からの血を入れて強引にシナ帝国内の商取引の規模を拡大して、そうして膨れ上がった商業利権を独占して皇帝のポケットマネーを膨れ上がらせることによって皇帝専制体制を維持するのです。
この場合、シナ帝国自体が儲けることが目的ではなく、あくまで外資を呼び込んで商業規模をバブル的に膨れ上がらせて、それによって皇帝が私腹を肥やすことが目的ですから、国際収支などは度外視され、いやそもそも国際収支などという概念はこの時代には存在しませんが、国外の物産供給地に相当おいしい取引、つまりシナ側にあまり得は無く、相手側にばかり得のある取引ばかり行われることになります。
そうすると国外の相手側は取引量を増やすほど儲かるわけですから、喜んで交易規模を拡大します。そうして多くの国外物産がシナ帝国内に入ってきて、シナ帝国内の商業規模が膨れ上がります。そうして商業利権が拡大して皇帝のポケットマネーが膨れ上がるわけですが、同時にこのような損な対外取引ばかりしていてはシナ帝国政府の財政は苦しくなっていきます。そうすると帝国政府の財政再建のために「租」の税率を上げて人民の負担を増やすことになるのです。
このように、帝国政府の財政と皇帝の私的財政という二重財政システムを運用することによって、皇帝財政ばかりが肥え太り、人民の生活は苦しくなるというのがシナ経済の特徴だといえます。このシステムを運用することによって商業利権を拡大して皇帝専制体制を維持するわけです。

そして、結局、この皇帝専制体制維持の2つの必要条件は互いに密接に関係し合い、一体化していくのです。
皇帝専制支配維持のためにシナ帝国内に流通する外国物産の量を増やして商業利権を拡大することが必要で、そのためには皇帝はシナ帝国周辺の物産の豊かな外国との取引関係を積極的に拡大しなければいけないのです。そこでその外国に利益の大きい取引を提供する見返りに、その外国の首長にシナ帝国への友好の挨拶に来てもらうのです。外国の首長にとってはそれは単なる友好の挨拶なのですが、皇帝はそれを国内的には遠方の蛮族が皇帝に臣従の礼を示しに来たと宣伝するのです。そうすれば形式だけでも皇帝の支配は更に遠くまで及ぶことになり、それを見たシナ帝国の人民に皇帝の有徳性をアピールすることが出来て、皇帝専制体制維持に繋がるのです。外国側としてはそういうからくりにすぐ気付きますが、気付かない振りをしてやり過せば、それだけで多大な交易利権を得ることが出来るわけですから、少しの名を捨てて多くの実を取ることが出来るわけで、それによってシナ皇帝も帝国内の商業利権を拡大させることが出来て、帝国財政は窮乏しますが、その穴埋めには人民から租を多く搾り取ればいいわけです。人民は儒教イデオロギーによって有徳な皇帝による支配を快く思っていますからある程度の負担には耐えます。そうやって人民が窮乏していけば反乱を起こす勢力も育たず、ますます皇帝権力は磐石になっていきます。皇帝の財政源は人民の租ではなく交易にかける税だから、皇帝にとっては人民が窮乏してもあまり痛くないのです。
このようなシステムを回していくためには、皇帝が支配領域を拡大することで有徳性を示しつつ外国交易を拡大していくことが大事だということになります。このような帝国の人民に負担を強いるシステムを維持していくためには、帝国の皇帝の人民に対する有徳性のアピールは必須となるのです。何故なら、自分たちは有徳の皇帝の統治を受ける幸せな民であるという誇りが無ければ窮乏を我慢することは難しいからです。
帝国の域外の諸国は交易で大きな利益を得て豊かになっており、それに引き換え帝国内の人民は窮乏する一方という状況では、帝国内の人民の不満が溜まるのは当たり前で、これを宥めるためには「周辺国の者は豊かだが皇帝の徳治を受けていない野蛮人に過ぎず心は貧しい。それに比べて帝国内の人民は多少貧しいかもしれないが皇帝の徳治を受けることが出来る中華の民で、心は徳に満ち溢れた文明人であり幸せ者である」という優越感情をくすぐるしかないのです。
これが従来から存在した華夷秩序に儒教の徳治思想を習合させて完成した新しい華夷秩序で、この武帝の時代から「中華=皇帝支配=有徳=文明」「夷=皇帝支配外=不徳=野蛮」という対比が設定されるようになったのです。
そして皇帝が有徳であることを証明するためには、より多くの夷を皇帝に臣従の礼を取らせればいいのです。帝国の人民の目から見れば、皇帝の徳があまりに大きいのでより多くのより遠方の野蛮で不徳な夷たちがその皇帝の徳を慕って臣従の礼を示しに来るというふうに見えるのです。実際は交易の利益に釣られて友好の挨拶に来ているだけなのですが、帝国国内の人民にはそうしたアピール効果があるのです。つまり国内の統制強化のための宣伝に外交を利用するというわけです。この皇帝への友好の挨拶を「朝貢」というのです。この「朝貢」を未だに臣従の礼だと勘違いしている人は、シナ帝国の国内向けの宣伝に未だに騙されているというだけのことです。
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